組織について
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「歴史文化資料保全の大学・共同利用機関ネットワーク事業」
東北大学では、東日本大震災以後、自然科学分野もふまえた資料保存研究を率先して行ってきました。
2018年1月26日、神戸大学・人間文化研究機構と学術交流協定を締結し、
日本列島各地に伝来する歴史文化資料の保全を目指すための事業を推進しています。
この3拠点を中核として「史料ネット(※)」活動を展開する各地の大学を基盤とするネットワークを構築し、
全国的な歴史文化資料情報の把握と、
緊急時における歴史文化保全に向けた相互支援体制を確立します。
※ 史料ネット:歴史文化史料の救済・継承を目指す取り組みを総称「史料ネット」とし、現在は全国に24団体が設立されている。東日本大震災以後の資料保全においても、宮城や福島、茨城などで地域に根ざした精力的な活動を行っている
当事業の3つの活動
本事業は、各地域で埋もれている歴史文化資料の再発見を目指します。各地に蓄積されている記録やデジタルデータを各地の「史料ネット」や大学と連携して保存し、災害時の基礎情報として、また、地域の歴史文化研究の重要なデータとして活用するためシステム構築に取り組みます。
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当事業の活動1:データの記録化
資料保存の活動の中で蓄積した膨大なデータは、調査研究や今後の所在調査・レスキュー活動の基礎となります。
当事業では災害対応ならびに史料の消失等に備え、データをデジタル化してバックアップを作成します。さらに、歴史文化研究や教育活動など多様な利用者が活用できるよう管理・公開するシステムを構築します。
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当事業の活動2:相互支援体制の構築
災害が発生した際には、相互支援を想定した関係者・研究者とのネットワーク形成が求められます。
当事業では全国の「史料ネット」と、それを運営する大学との連携を強化していきます。
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当事業の活動3:文理横断型の保存研究
被害を受けた歴史文化資料を安定的に管理し、保存・継承可能な状態へ導くための技術を検討します。「文理横断型の保存研究」を推進することで大学教育や市民活動に寄与します。
当事業が目指すこと
- 1. 各大学と密接に連携し、日常的な調査・保存研究を軸に教育・人材育成、環境整備を行うこと
- 2. 地域社会における歴史文化の継承と創成を果たすこと
- 3. 本事業の成果や記録データを、アジア諸地域をはじめ世界に発信すること
研究テーマ・目的
東日本大震災以降の災害対策を通して形成した災害関連分野および諸地域との連携により、災害後の地域社会像を捉えるための文理融合型の研究を含めた歴史文化研究を推進する。また、社会教育・市民活動との協働による学術基盤整備および市民参加型の研究手法を検討し、歴史文化資料に関わる研究成果を地域と共有することによる新たな学術基盤を整備することで、歴史文化資料の市民科学(シチズンサイエンス)を推進する。