イベント情報

情報更新日 : 2019年4月10日

【レポート】歴史文化資料保全コーディネーター講座を開催

 2019年2月27日(水)から3月1日(金)の3日間、「歴史文化資料保全コーディネーター講座」を実施しました(【主催】歴史文化資料保全の大学・共同利用機関ネットワーク・東北大学拠点、【担当機関】東北大学学術資源研究公開センター)。この講座は様々な分野の専門家が、東日本大震災などでの保全活動の経験を踏まえ、多様な資料の保全のための知識や技術を解説することで、地域で歴史文化資料の保全活動全体をコーディネートできる人材を養成することを目的に実施されました。
 当日は東北地方を始め、全国からのべ60名の参加者(東北大学学生院生10名、他大学学生院生等7名、国機関など4名、自治体・博物館等15名、一般参加6名など)がありました。当日の講義内容と担当者は以下の通りです(部局名のみのものは東北大学)。


【2月27日】
1:講義全体の説明、災害直後の対応  藤澤敦(総合学術博物館)
2:法律上の文化財の範囲と保全対象  関口重樹(宮城県文化財課)
3:保全活動の体制構築と安全確保  藤澤敦(総合学術博物館)
4:遺跡・建造物など不動産資料への対応  関口重樹(宮城県文化財課)
5:3次元計測技術による被災状況の記録  鹿能晴尚(総合学術博物館)

【2月28日】
6:様々な資料の保全①:古文書・古記録  佐藤大介(災害科学国際研究所)
7:様々な資料の保全②:考古学資料  菅野智則(埋蔵文化財調査室)
8:様々な資料の保全③:有形民俗資料  小谷竜介(東北歴史博物館)
9:様々な資料の保全④:無形民俗資料  高倉浩樹(東北アジア研究センター)
10:様々な資料の保全⑤:美術系資料  安田容子(災害科学国際研究所)

【3月1日】
11:様々な資料の保全⑥:地学系資料  鹿能晴尚(総合学術博物館)
12:様々な資料の保全⑦:生物系資料  鈴木まほろ(岩手県立博物館)
13:様々な資料の保全⑧:行政文書・写真記録 加藤諭(史料館)
14:文化財マップの防災への活用  蝦名裕一(災害科学国際研究所)
15:被災しない体制構築の課題  藤澤敦(総合学術博物館)


 1日5コマを3日間という長丁場でしたが、各日とも最後に設けられた意見交換の場では、講義内容への質問や意見のみならず、それぞれの現場での経験談や資料保全への考え方など、活発な意見の交換と情報共有がなされました。また講座修了後に書いていただいた参加者のアンケートでは、今後のこの講座への期待や希望、課題などたくさんの意見が寄せられるなど、予想以上の充実した講座となりました。
 今後も東北大拠点では、みなさんからいただいたご意見を踏まえつつ、来年度はさらによりよい講座を提供できるよう、事業委員会内で検討していきたいと考えています。


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